高血圧が長期間続くと、重大な病気を引き起こすこともあります。気づかぬうちに進行する高血圧とはどんな疾患なのでしょうか?
- 高血圧の仕組み
- 高血圧の診断基準
について解説していきます。
目次
高血圧患者は、日本に4000万人以上いる!?
高血圧とは、その名の通り血圧が高い状態。日本の(健康診断での)高血圧に該当する人は4300万人といわれ、成人では3人に1人が高血圧だと言われています。一般的に年齢が高くなればなるほど、血管の弾力性が弱くなり高血圧になります。
年齢が高くなれば血圧は必然的に高くなるのに、健康診断ではどの世代でも同じ数値なのはおかしいと思いますが。昔は年齢+90が参考になっていたそうですよ。
男性では、早い人では30代ごろから血圧が上がり始め、60歳以上になると6割以上の人が高血圧となります。女性の場合は、月経がある期間は女性ホルモンの働きで血圧が低く抑えられていますが、閉経後の50代でおおよそ4割の人の血圧があがり、その後は男性とほぼ同じように高血圧となるようです。
高血圧は初期の自覚症状はありません。
しかし、長い間放置していると、血管や心臓が傷つき重大な病気のリスクが高まります。
慢性的に高血圧が続くと、全身の血管に大きな負担がかかります。次第に、動脈硬化が進みある日突然、脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる疾患を引き起こすこともあります。
また、血管に血液を送り出す心臓にも負担がかかり、心肥大や心不全に繋がることもあります。
高血圧はサイレントキラー
気づかないうちに重篤な病気が進行するので、高血圧は「サイレントキラー」とよばれています。
日本人の死因の第三位は脳血管疾患です。これは全体の8割ほどを占めており、高血圧と深いかかわりのある疾患です。
気づかないうちに重病となる高血圧
高血圧の状態が続く➡血管や心臓に負担がかかる➡脳卒中、心筋梗塞、心不全などが起こる➡死に至る危険のですね。
脳血管疾患の総称。脳の血管が破れる「脳出血」、脳を覆う軟膜とくも膜の間で出血する「くも膜下出血」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」の3種類がある。
脳卒中とは
心臓に栄養・酸素を供給する冠状動脈が詰まり、心筋が壊死する疾患。激しい胸の痛みを伴う発作が続く。
心筋梗塞とは
上が140、下が90以上で高血圧と診断される
正常血圧とは「120/80mmHg未満」を指します。これに対し、「140/90mmHg以上」になると、高血圧と診断されます。
ちなみに、2000年までの高血圧の基準は180mmHgだったそうです。基準値をさげたことで、高血圧の人が増えて「降圧剤」の売上高が急増したという話も聞きました📝
さらに血圧レベルにより、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、糖尿病や腎臓病の有無など他の要因と合わせて合併症のリスクや治療方針を判断します。ちなみに、正常血圧と高血圧症の中間は、「正常高値血圧」とよばれ、高血圧の予備軍となります。早めに血圧のコントロールをスタートさせれば、正常血圧に戻りやすいです。
高血圧の診断基準
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
正常血圧 | <120 | かつ | <80 |
正常高値血圧 | 120-129 | かつ | <80 |
高値血圧 | 130-139 | かつ/または | 80-89 |
Ⅰ度高血圧 | 140-159 | かつ/または | 90-99 |
Ⅱ度高血圧 | 160-179 | かつ/または | 100-109 |
Ⅲ度高血圧 | ≧180 | かつ/または | ≧110 |
(孤立性)収縮期高血圧 | ≧140 | かつ | <90 |
至適血圧とは?健康状態をキープしよう
動脈硬化や生活習慣病を防ぐために推奨される血圧が至適血圧です。病気による低血圧を除けば、血圧が低ければ低いほど、脳卒中や心筋梗塞などの血管系の病気リスクも低くなると言われています。
高血圧についてのまとめ
高血圧は、気づかないうちに病気が進行していく可能性があるので、血圧の数値に変化があったら早めに医療機関に相談し、自分自身でも考えて対策を打っていきましょう。何事もスピードが大事です。
そして、生活習慣のなかに血圧測定も取り入れ日々、自分自身の健康状態について注意をむけておくことで変化にいち早く気づけます。
最後に私の考えとして、
私は薬を使わず、生活習慣の改善で調子を整えていくのがベターだと考えています。サイレントキラーと言われても、自分自身の状態が良ければ問題ないかと。
高血圧であれば、運動強度に注意して進めていき、心身ともに健康な身体を手にいれましょう。