「サウナやお風呂で体重を落とそう」「○○さんは1日で体重を3kg、1週間で5kgも落とした」こんなネットニュースやSNS情報を目にされた方は多いのではないでしょうか?
たったの1日、1週間で体脂肪がkg単位で落ちることはありません。落ちたのはほとんど水分。
世の中のヘンテコ情報に流されず、リバウンドせず健康重視の身体つくりをしていきましょう。
本記事は、奈良県香芝市でパーソナルジムENRICH GYM 香芝を経営する須田雅人トレーナーが書いています。
目次
水抜きダイエットが危険な理由
水抜きダイエットは、体から一時的に水分を抜き体重やむくみを取る・落とす方法です。ボディビルダーや格闘家が多用していますが、一般の方が実施することに関しては、ほとんどデメリットしかないのでおすすめしません。
体調不良・命の危険性あり
水抜き、つまり脱水状態は、体に様々な健康上の悪影響を与えます。
脱水量(初期体重の%)と脱水症状ないし徴候
水分減少率 (体重に占める割合) | 主な脱水症状 |
---|---|
2% | のどの渇き |
3% | 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振 |
4% | 皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮 |
5% | 頭痛、熱にうだる感じ |
8~10% | 身体動揺、けいれん |
20%以上 | 無尿、死亡 |
中野昭一編「スポーツ医科学」 第2章 体液・血液の働き.40頁,1999.
Adolph EF & Associates: Physiology of Man in the Desert. Hafner Pub Co, New York, p191, 1947.を参考に一部改変して作成
必ずリバウンド|特別な理由がない限りやる必要なし
体から一時的に水分を抜く水抜きは、水分摂取や食事量を戻せば体重も元通りです。格闘家が行う水抜きは、試合前日軽量までは食事も水も減らして5kg以上を一気に落とします。そして、軽量後は食事や水分を戻して普段の体重へと回復させます。
脱水状態ではパフォーマンスは著しく落ちますからね。私自身は当日軽量のパワーリフティング大会似て水抜きを行い、大幅に記録ダウンの経験もあります。
また、結婚式に向けて水抜きされる方もいますが、やり過ぎも禁物。普段からむくまないように食事調整や自分自身の体調を観察していきましょう。カラカラの状態の結婚式なんて、楽しくないし、しんどいだけです。
過酷で苦しい
当然、のどの渇きを我慢するので精神的にも苦しくなります。夏場であれば熱中症のリスクも相当高まります。
結婚式や大会などの一時的なイベントでむくみを取りたい場合は、体重の2%程の水抜きに留めておきましょう。体重の2%ほどの水抜きであれば、食事調整・塩分調整・水分調整で楽に落とせます。
ウォーターローディング、塩抜き、食物繊維減、カリウム摂取、マグネシウム摂取実施が主な策です。
40代以降のおすすめダイエット方法
水分摂取を多めにする
水分摂取は水抜きとは真逆で、多めにするのが良いでしょう。体重×40㎖を目安に、一日を通してちょびちょびと飲むのがおすすめ。野菜や水分の多い食べ物を多めに取り入れても良いでしょう。
水分摂取のメリットは
- 便秘対策
- 脱水・熱中症対策
- 脂肪燃焼に繋がる
など様々です。
美味しく楽しく食事をする
美味しくない食べ物を食べて過ごすほどストレスな食事はありません。家族、友人と楽しく、美味しく食べましょう。食べることで内臓が働き、消費カロリーは増えます。人それぞれ食事の吸収能力が違いますが、ストレスレベルの低い方が間違いなく胃腸の活動も快適になります。
カロリー調整をする
食べ過ぎたら、翌日は減らす、運動量を増やすなどカロリー調整をしていけば、自然と標準的な体重に収まります。食べる量が減れば、筋肉も減り、活動量も減ってしまうので、極力摂取カロリーは高い状態が望ましいですね。
食べ物の中身を変えていく
糖質メインの食事、脂っこものが多い場合は、フルーツや大豆、魚系も積極活用し、栄養が偏らないようにするのもポイントです。
タンパク質も糖質も脂質も微量栄養素も全部大事。満遍なく食べましょう。
水抜きダイエットの危険性|まとめ
水抜きダイエットは、一般の方がやる場合はまったく意味がありません。水抜きしている時間がもったいないです。理由は、結局元に戻るし、つらい思いをするだけだから。
普段から運動、カロリー調整、ストレスフリーな生活習慣を身に付けていくことで、誤った・おかしなダイエットに惑わされません。ぜひ、より良い生活習慣を身に付けられるようにできるところから始めていきましょう。